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オリヒメサマの願い事

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私のヒコボシ
 どこですか?



オリヒメサマの願い事


七月七日。
たった一年しか逢えない、2つの星の逢瀬を阻むように、雨が降った。

やっぱり、雨は好きじゃない。

そう言うと、石田くんは困ったように笑った。
それから、少し考えたような素振りを見せて、言ったんだ。

「きっと、織姫と彦星が雨を降らせたんだね。だって、一年も我慢してやっと逢えたんだ。誰にも邪魔されずにいたいんじゃないかな」

・・・目からウロコ。
やっぱり石田くんはすごい。

「・・・そっかぁ。うん、そうだねっ」

私は笑った。
ビニール傘越しに見えるのは、灰色の空。
この空の上、織姫と彦星は、一年ぶりの逢瀬を誰にも邪魔されずに過ごしているのだろう。

「じゃあ、この雨は2人の、嬉し涙だね、きっと」

「うん、そうだね・・・」

私の呟きに、石田くんは返事をくれた。
空から落ちてくる雫が、急に愛しくなる。

2人っきりの、帰り道。
雨のお陰か、まわりに人はいない。

「ねぇ、石田くん・・・」

「何?」

「手、繋いで?」

私は手を伸ばした。
傘からはみ出して、雨粒が手のひらを濡らす。

石田くんは、何も言わずその手を握り返してくれた。

「今日は、七夕、だから・・・」

言い訳みたいに、石田くんは付け足した。
顔が赤くて、とってもかわいい。

雨が降ってて、よかった。
この顔を、手を、一人占めできるから。
空の上の2人みたいに、2人っきりになれたから。

私が幸せを握り締めた手は、雨に濡れても冷えることはなかった。


私のヒコボシ
この手の持ち主




end







―あとがき

短いです。
よく分からないです。
七夕です。
Posted by 梨井 青
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