2009.
07.
09
21:05:06
注意
!雨織
!ショートショート
!ほのぼの
私のヒコボシ
どこですか?
オリヒメサマの願い事
七月七日。
たった一年しか逢えない、2つの星の逢瀬を阻むように、雨が降った。
やっぱり、雨は好きじゃない。
そう言うと、石田くんは困ったように笑った。
それから、少し考えたような素振りを見せて、言ったんだ。
「きっと、織姫と彦星が雨を降らせたんだね。だって、一年も我慢してやっと逢えたんだ。誰にも邪魔されずにいたいんじゃないかな」
・・・目からウロコ。
やっぱり石田くんはすごい。
「・・・そっかぁ。うん、そうだねっ」
私は笑った。
ビニール傘越しに見えるのは、灰色の空。
この空の上、織姫と彦星は、一年ぶりの逢瀬を誰にも邪魔されずに過ごしているのだろう。
「じゃあ、この雨は2人の、嬉し涙だね、きっと」
「うん、そうだね・・・」
私の呟きに、石田くんは返事をくれた。
空から落ちてくる雫が、急に愛しくなる。
2人っきりの、帰り道。
雨のお陰か、まわりに人はいない。
「ねぇ、石田くん・・・」
「何?」
「手、繋いで?」
私は手を伸ばした。
傘からはみ出して、雨粒が手のひらを濡らす。
石田くんは、何も言わずその手を握り返してくれた。
「今日は、七夕、だから・・・」
言い訳みたいに、石田くんは付け足した。
顔が赤くて、とってもかわいい。
雨が降ってて、よかった。
この顔を、手を、一人占めできるから。
空の上の2人みたいに、2人っきりになれたから。
私が幸せを握り締めた手は、雨に濡れても冷えることはなかった。
私のヒコボシ
この手の持ち主
end
―あとがき
短いです。
よく分からないです。
七夕です。



